2026年3月30日~4月6日。セレソン都城FCの代表兼コーチ・中山尚英氏が率いる、U13・U14向けサッカー大会『Copa Blau Rojo Soccer Camp』の選抜チーム(セレソン都城FC、FCブリラーレ、FCヴァロー唐津)が、MVV Maastricht Football HUBが提供するオランダ・マーストリヒトでの欧州遠征プログラムに参加しました。その模様を遠征レポートとしてお届けします。

(参照記事:【インタビュー】宮崎から世界へ、セレソン都城FCがオランダ遠征に挑む理由【大会レポート】Copa Blau Rojo Soccer Camp in Winter【講演レポート】森岡亮太さん講演会『海外に挑む』

執筆者:保坂 琉介(出島フットボール インターン)
記事:2026年4月26日


遠征概要

  • 期間:2026年3月30日(月) 〜 4月6日(月)(8日間)
    ※移動日を含めた全行程は3月29日(日)〜4月8日(水)
  • 場所:オランダ(マーストリヒト、アムステルダム)、ベルギー(ウェステルロー、ハッセルト)
  • 主な活動内容
    • トレーニングマッチ:ベルギー1部KVCウェステルロー(KVC Westerlo)、オランダ2部MVVマーストリヒト(MVV Maastricht)のユースチームと対戦
    • サッカークリニック:MVVトップチームコーチによるトレーニングセッション
    • 練習参加『Copa Blau Rojo Soccer Camp』大会MVP選手によるMVVユース練習参加
    • 国際大会出場:ベルギーで開催された『ベルギーカップ(Belgium Cup)』への参戦
    • 文化体験:オランダ/ベルギーリーグ現地観戦、マーストリヒト/アムステルダム市内観光
  • 食事サポート森岡亮太さんによる、昼食を中心とした栄養管理お弁当の提供

【遠征前半】プロクラブユースとのトレーニングマッチに挑む

3/29(日) – 3/30(月):オランダ渡航

福岡空港を出発し、経由地の上海で一泊を挟んでアムステルダム・スキポール空港へ到着しました。参加選手のほとんどが初めての海外渡航であり、行き交う人々や外国語の電光掲示板など、目にするものすべてに興味津々な様子でした。

その後、バスで拠点となるマーストリヒトへ移動。MVVマーストリヒトの本拠地「スタディオン・デ・ゲッセルト(Stadion de Guesselt)」に隣接する「ガーナーホテル(Garner Hotel)」へチェックインしました。長距離移動による疲れをケアしながら、翌日からの活動に備えました。

選手コメント
「滅多に行く機会のない海外遠征をしっかり自分のものにして、チームに戻ったときに成長した姿を見せられるように頑張りたい。」

(スキポール空港に到着した遠征チーム)

3/31(火):vs KVCウェステルローU15(ベルギー)

到着翌日の午前中は、スタジアムのピッチでトレーニングを実施しました。練習開始を待つトップチームの選手達が至近距離で見守る場面もあり、早くもプロの環境を肌で感じる機会となりました。

選手コメント
「芝の感覚やスタジアムの環境が日本とは全然違う。」
「オランダに来てまだ身体が動いていない、しっかりケアをして夜の試合に挑みたい。」
「今まで日本で取り組んで来たことが、どこまで通用するのか試してみたい。」

コーチコメント
「移動の疲れはあったものの、素晴らしいスタジアムの環境もあり、選手たちは非常に良い雰囲気で今晩の練習試合に向けて調整ができた。」

(スタジアムでの練習の様子)

(練習前のトップチーム選手が見守る姿も)

夕方からはベルギーのウェステルローへと移動。ベルギー1部KVCウェステルローの本拠地「ヘット・カイピー(Het Kuipje)」も隣接するグラウンドにて、同クラブのユースチームと遠征初戦となるトレーニングマッチ(前後半40分ずつ)を実施しました。

試合序盤こそ落ち着いてゲームを運ぶことができましたが、時間が経つにつれ、相手選手の圧倒的な強度と縦への推進力に苦しめられる展開に。180cmを超える選手が何人も顔を揃える相手に、身長・体格・スピードのすべてにおいて「世界基準」を肌で感じる一戦となりました。

選手コメント
「最初は通用する部分もあると感じたが、身長が高くフィジカルの強い選手とのコンタクトが増えるうちに、段々と弱気になり、消極的なプレーが多くなってしまった。」
「想像以上にプレスのスピードが早く、自由にプレーできなかった。自分より大きな相手に対し、身体の使い方などを工夫する必要があると感じた。」
「自分たちが先に走り出しているのに追い越されてしまうなど、フィジカルとスピードの差を感じた。」

コーチコメント
「選手たちは、これまで感じたことのない強度を体感し、まるで違うスポーツをやっているかのように感じたと思う。そこに食らいつき、勝つためには、これまでの自分が知らないくらいの100%でぶつかり、強い気持ちを見せなければならない。」

(KVCウェステルロー戦でのプレーの様子)

(KVCウェステルローユースとの集合写真)

4/1:プレゼンセッション / トップチーム練習見学 / vs MVVマーストリヒトU15

午前中はスタジアムにて、シント=トロイデンVV(Sint-Truidense VV)などでも指導経験を持つMVVマーストリヒトのトップチームコーチによる、約1時間のプレゼンセッションを受講しました。日本人選手への印象やプロとしての心構え、翌日のクリニックに向けた指針などが語られました。その後はスタンドへと移動し、トップチームのトレーニングを間近で見学しました。

選手コメント
「トップチームの選手は身長が高いだけでなく、足の筋肉や体の厚みも凄い。プロの体つきは想像以上だった。」

コーチコメント
「プロの選手が間近にいることで、『ここまで到達すればプロになれる』という、明確な基準を肌で感じることができる。こうした環境を宮崎や都城にも作っていきたい改めて思った。また、世界と戦うにはフィジカルも不可欠。選手たちにはこの遠征を、食事や睡眠といった自己管理について意識改革するきっかけにしてほしい。」

(プレゼンセッションの様子)

(トップチーム練習見学の様子)

夕方には同スタジアムにて、MVVマーストリヒトのユースチームとトレーニングマッチ(前後半40分ずつ)を実施しました。前日のKVCウェステルロー戦に続き、2日連続で欧州プロクラブのアカデミーとの対戦となりました。

初戦からの立て直しが求められたこの一戦、前半は攻守共に拮抗した展開を見せます。しかし後半に入ると、MVVユースのスピードとパワーを活かした縦に速い攻撃に苦しみ、何度も後ろ向きの守備を強いられる展開に。次第に消耗し、足が止まったところを突かれ、失点を重ねる結果となりました。

選手コメント
「前半は攻守共に手応えがあったが、後半は終始攻め続けられた。」
「苦しい時間帯に声を出し、周りを鼓舞しようとしたが、チームをメンタル的に立て直すことができなかった。」

コーチコメント
「フィジカル差など現時点では埋められない壁がある一方で、対抗できる部分も確かにあることが分かった。ただ、体格差に気圧されてしまい、本来発揮できるはずの部分まで出せなくなっている選手が非常に多かった。自分のこれまでの価値観や感覚を壊す覚悟を持ってピッチに立つ必要がある。今日一歩引いてしまった恐怖に打ち勝つためには、日常から変えなければいけない。」

(MVVマーストリヒト戦でのプレーの様子)

(MVVマーストリヒトユースとの集合写真)


【遠征中盤】オランダの育成を体感

4/2(木):サッカークリニック / MVP選手練習参加

午前中は、スタジアム裏手に位置するスポーツ総合施設「スポーツ・フィールド(Sports Field)」のグラウンドで調整を行いました。午後はスタジアムへ移動し、前日にプレゼンセッションを担当したMVVトップチームコーチによる、約1時間半のサッカークリニックが開催されました。

コーチコメント
「短時間でいかにプレータイムを確保するか考えられたメニューだった。また、トレーニングの目的や意識すべきポイントの伝え方が明確で、それによって選手たちのクオリティが引き出されていく様子が印象的だった。」

(クリニック中、指導を受ける選手達と中山さん)

夕方には、遠征メンバーの中から『Copa Blau Rojo Soccer Camp』の大会MVPに選出された4名が、MVVマーストリヒトユースのトレーニングに参加しました。言葉の壁に戸惑いながらも、通訳を介さず現地の同年代選手たちと共に約1時間半のセッションをこなしました。

練習後のロッカールームからは現地選手と打ち解けた笑い声も聞こえ、参加した4名の表情からは大きな充実感が滲み出ていました。また、練習後のピッチでは、MVVユースコーチと中山さんが熱心に意見交換を行う姿も見られました。

選手コメント
「球際の強度が高く、プレスやパス、切り替えのスピード、シュートのパワーも日本と全然違う。」
「練習時間は日本よりも短いものの、常に高いテンポが求められて休む時間がなく、いつもの練習よりも疲れた。」

(練習参加の様子①)

(練習参加の様子②)

(MVVユースコーチ(左)と談笑する中山さん(右))

4/3(金):マーストリヒト観光 / オランダ2部リーグ観戦

午前中に「スポーツ・フィールド」のグラウンドにて軽めの調整を行った後、午後はマーストリヒト市内観光へと出かけました。歴史ある教会の見学やショッピングを楽しみ、遠征中盤の束の間のリフレッシュとなりました。

この頃から選手たちの行動に変化が見られ、街中では自ら「ハロー!」と地元の方々に挨拶をするなど、チーム全体にオープンな雰囲気が波及。日本語を勉強しているという現地の大学生と笑顔で交流する場面もありました。また、前日の練習参加をきっかけに言語への興味を抱き、書店で自らオランダ語の書籍を購入する選手の姿も。異国の地で物怖じせずコミュニケーションを図ろうとする、短期間での精神的な成長には驚かされました。

夜には、オランダ2部MVVマーストリヒトの公式戦をスタジアムで観戦。地元の熱狂的なファンに囲まれ、欧州サッカー本場の雰囲気を存分に味わいました。

(マーストリヒトの美しい街を散策)

(真剣に試合を見つめる選手たち)


【遠征後半】国際大会参加

4/4(土) – 4/5(日):Belgium Cup / ベルギー1部リーグ観戦

遠征の集大成として、ベルギー・ハッセルトで開催された2日間の国際大会『Belgium Cup』に出場しました。欧州各地から集まった多様なスタイルを持つチームを相手に、連戦を戦いました。

初日の予選ラウンドは2勝1分で突破。遠征前半で得た基準を元に、体格の優れる相手選手への対応を少しずつ掴み、2日目の上位トーナメントへと駒を進めました。決勝ラウンドでは2度のPK戦を制して決勝へ進出。最後はPK戦の末に惜しくも敗れましたが、準優勝という結果を収めました。

試合を重ねるごとに、シンプルにプレーを繋ぐ判断や、複数人で身体を当てて粘り強くボールを奪いきる場面など、海外選手の強度への適応が見られました。勝ち進むにつれて、選手たちのプレーには心の余裕と自信が表れていました。

また、粘り強く勝ち上がる日本人チームの姿は会場内でも大きな注目を集め、勝利の瞬間に他チームの選手がピッチへなだれ込んで祝う場面もありました。決勝後も多くの現地の方々からねぎらいの言葉をかけていただくなど、ピッチ内外で国境を越えた数多くの交流が生まれた大会となりました。

  • 大会形式:2日間にわたる予選ラウンドおよび順位決定トーナメント
  • 対戦相手:オランダ、ベルギー、フランス、イングランド、スコットランド、アイルランド、デンマークの各国クラブ
  • 主催クラブゾーンホーフェン・ユナイテッド(Zonhoven United)
  • 開催場所Basvelden site、Melo site

選手コメント
「体格やスピードのある相手に対して、個人で勝てなくてもチームで守備することができた。」
「勝ちたいという気持ちがプレスの強度に繋がり、身長や体格差を恐れず戦えた。」
「他国のチームから応援されたり、様々な国の選手と同じピッチでプレーしたりしたことで、サッカーがより楽しく感じた。

(大会中、様々な国のクラブと対戦)

(PK戦勝利後、他クラブの選手たちと)

(優勝チームと一緒にトロフィーリフト)

また、遠征期間中の昼食を中心に、森岡亮太さんより提供いただいたお弁当が振る舞われました。これらは遠征のスケジュールに合わせて、栄養バランスや消化が考えられた、今回のための特別メニューです。欧州という慣れない食環境において、お米や日本の味付けを取り入れた食事は、選手たちのコンディション維持はもちろん、精神的なリフレッシュにおいても大きな助けとなりました。

(大会中、お弁当を囲む選手たち)

(ボリュームたっぷり、美味しいお弁当)


お弁当ごとに届けられたメッセージ

大会日程の終了後、遠征初戦の舞台となったベルギーのウェステルローへ再び移動。「ヘット・カイピー」スタジアムにてベルギー1部KVCウェステルローの公式戦を観戦しました。試合には坂本一彩選手、齋藤俊輔選手が出場。欧州の第一線で活躍する日本人選手の姿を間近で応援する貴重な機会となりました。縦に早く、アスリート能力に優れたベルギーリーグの選手たちのプレーを目の当たりにし、感嘆の声を上げていたのが印象的でした。

(スタジアムでの集合写真)

4/6(月):スタジアムツアー / アムステルダム観光 / オランダ出国

最終日は午前中にアムステルダムへ移動し、オランダの名門AFCアヤックス(AFC Ajax)の本拠地「ヨハン・クライフ・アレナ(Johan Cruijff ArenA)」のスタジアムツアーに参加しました。世界屈指の育成システムを誇るクラブの歴史と格式に触れた後、午後にはアムステルダム市内を散策。フットボールシャツの古着屋を訪れるなど現地のサッカー文化を肌で感じ、夕刻、多くの経験と刺激を胸にスキポール空港より帰国の途につきました。

選手コメント
「海外選手の迫力や球際の強さは想像以上だった。日本に帰ってもこの基準を忘れず、一対一では絶対に負けないという気持ちを持って取り組み続けたい。」
「帰国後も、普段の生活から食事や身体のケアに気を配り、自己管理を徹底したい。」
「購入したオランダ語の本を家で翻訳しながら読みたい。」

コーチコメント
「今回の遠征を、単に『フィジカル差を感じた体験』だけで終わらせて欲しくない。圧倒的な体格差からくる恐怖に対し、自分は何を感じ、どう立ち向かおうとしたのか。そして、その差を埋めるために自分の習慣や行動といった”日常”をどう変えていくのか。この遠征を機に、考えるきっかけにして欲しい。」

(欧州名門の雰囲気を体感)

(アムステルダムにて、運河に面するテラスで昼食)

(天気の良いアムステルダムを散策)


まとめ

今回の『Copa Blau Rojo Soccer Camp』選抜チームによるオランダ遠征は、8日間という限られた期間の中で、プロアカデミーとの対戦・練習参加、トップチームコーチによる直接指導、国際大会への参戦、そして文化体験と、非常に密度の高いプログラムを消化しました。

この遠征で得た世界基準の体感と、国境を越えた交流の経験は、選手たちの今後の人生において必ず大きな糧となるはずです。世界を知り、逞しく成長した選手たちの今後に、ぜひご期待ください!


(今回の遠征の様子は、セレソン都城FC公式YouTubeチャンネルでも公開されています。現地の活動の様子を、ぜひ動画でもご覧ください。)

セレソン都城FC公式YouTubeチャンネル:
【#1】オランダ遠征レポートVol.1 https://youtu.be/CEQISDq6nLM?si=SMKsfHOuHxzZhtfM
【#2】オランダ遠征レポートVol.2 https://youtu.be/ocBFpp_ZklM?si=n9eEItMt5hBGwdwm
【#3】オランダ遠征レポートVol.3 https://youtu.be/HmO8rS6Ly50?si=FBj7pegokgbUi0Dk

 

【セレソン都城FC】
公式サイト:https://selecao.blaurojo.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/selecao_miyakonojo_fc/?hl=ja

【FCブリラーレ】
公式サイト:https://fc-brillare.com/
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/fc.brillare_/?hl=ja